糖鎖の効果向上に期待?リポソーム化糖鎖とは
リポソーム化した糖鎖栄養素を含むサプリメントを発見。そもそもリポソーム化とはどういうものか。その仕組みやメリット、リポソーム化糖鎖に期待できる作用をまとめました。
糖鎖サプリメントについて調べていたら、糖鎖栄養素をリポソーム化したことによって吸収率を高めている製品を見つけました。これって、新しいアプローチではありませんか?
そうですね。リポソーム化の技術自体は、医薬品やサプリメントで広く使われています。ただ糖鎖栄養素でそれをするというのは、新しいと思います。
2024年9月に行われた日本生物工学会で、リポソーム化した糖鎖の有効性なども発表されていたようです! 今回はリポソームについて学んでみましょう。
リポソーム化とは
「リポソーム」というと、いかにも専門的で難しく聞こえるかもしれません。これはギリシャ語由来の言葉で、「リポ」は脂質、「ソーム」は体を意味します。
脂の体、と日本語にすると意味がよくわかりませんが、脂の粒のようなものをイメージしていただければ間違いないでしょう。
この脂の粒は、水に馴染む部分と脂に馴染む部分に分かれており、輪切りにすると層状になっています。層の数は、作り方によって変えられます。
この構造は、細胞にとてもよく似ています。じつはリポソームという名称自体、消化作用を持つ細胞小器官・リソソームから着想を得て付けられました(リソは分解を意味するギリシャ語)。
体によく馴染む人工カプセル
リポソームに関する論文は1960年代の半ばに発表されましたが、当初は人の細胞に似た脂質の膜に過ぎませんでした。細胞膜の仕組みを理解するのに役立つ画期的な発見ではあったものの、その活用方法は研究目的に限られていました。
しかし、その後の研究でリポソームに薬剤を閉じ込めることに成功。ドラッグデリバリーシステムと呼ばれる技術分野で活用が進めれられるようになりました。ドラッグデリバリーシステムは、薬剤を体の必要な場所に届け、適切な時間に絞って効果を発揮するように届ける技術です。
その後さらに応用が進み、現在では化粧品や健康食品の分野でもリポソーム化技術が広く使われています。
リポソーム化によるメリット
リポソーム化技術が広く使われている理由としては、以下のようなメリットが挙げられます。
- 有効成分の保護...不安定な薬剤でも、リポソームで包むことで安定した状態で届けることができる。
- 吸収率の向上...細胞と接触すると、そこでくっついて膜越しに直接有効成分を送り込むことができる。
- 効果の持続性...膜が崩れ、少しずつ有効成分が放出されるため、効果が長く続く。
- 体への馴染みやすさ...細胞膜と同じ成分のため、安全性が高い。
これらのメリットは、リポソームが活用される分野によって違います。例えば医薬品では、届けたい場所や細胞に応じて慎重にリポソームが設計されます。
化粧品の場合は肌への浸透や効果の持続性が重視され、健康食品の場合は胃や腸まで栄養成分を届けることに重点が置かれます。
リポソーム化糖鎖に期待できる効果
マウスによる研究レベルでは、リポソーム化した糖鎖栄養素が通常の糖鎖よりも明らかに高い効果を発揮することが確認されています。
人の体にも同じ作用が期待できるかどうかはまだ研究途上ですが、正しく設計が行われたリポソームであればその可能性は十分に期待できます。