妊娠準備中の方
今回解説していくのは、この糖鎖と不妊の関係について。実は不妊の原因の3~4割が、糖鎖異常だともいわれているんです。卵子と精子が出会い受精して妊娠に至るのは、まさに奇跡のようなこと。その確率を上げてくれる役割を果たす“糖鎖”について少し勉強してみませんか?
さとう所長、妊娠準備中の方も糖鎖を整えた方が良いというのは本当ですか。
そうなんです。実は不妊の30~40%の原因は、糖鎖異常だともいわれているんですよ。
えーっ!そんなにですか!
糖鎖と妊娠がどのように関係しているのか、詳しく見ていきましょう。
不妊の定義とは
「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。
引用元:公益社団法人日本産科婦人科学会「病気を知ろう:不妊関連」
日本産科婦人科学会ではこのように定義されていますが、女性に排卵がない、子宮内膜症を合併している、過去に骨盤腹膜炎に罹ったことがあるなどの場合は、上記の定義に当てはまらなくても、検査や治療を始めた方が良いという場合もあります。
また、加齢により妊娠が起こりにくくなるということは、男女ともに当てはまります。不妊のカップルは約10組に1組といわれていますが、最近は妊娠を考える年齢が上がっており、この割合はさらに高くなっていると考えられるでしょう。
受精の仕組み
受精とは、卵子と精子が卵管で1つになること。基本的には、1つの卵子につき1つの精子が合体し、その合体したものを受精卵と呼びます。
精子は射精直後からすぐに受精できるわけではありません。受精ができるのは、射精後約5時間後~36時間後までの精子だけ。また卵子が受精できる時間はたったの12時間ほどです。
これだけ限られた時間の中で、卵子と精子がお互いにぴったり合うパートナーを見つけ出すことが出来なければ、妊娠には至らないというわけです。
糖鎖と不妊の関係
精子の一番外側の細胞膜には「糖鎖(とうさ)」と呼ばれる“手”みたいなものが伸びていて、そこに卵子の“手”がくっつく。そのときにカルシウムイオンの細胞内情報伝達物質が活性化される。
引用元:凍結した卵子で将来妊娠できる確率は低い/不妊治療専門施設の黒田インターナショナルメディカルリプロダクション院長黒田優佳子先生
精子と卵子が受精するときに異種間が受精しないように、確認するために使われるのが糖鎖です。したがってこの糖鎖がないとお互いを認識できず、受精には至りません。
精子と卵子が出会うために、糖鎖はとても重要な役割を担っています。不妊の原因はさまざまありますが、糖鎖異常はその原因の30~40%を占めているともいわれているほど。
精子と卵子の表面には、細胞の顔ともいわれる糖鎖がくっついています。糖鎖は精子と卵子が出会うためのアンテナになります。精子と卵子がそれぞれの糖鎖を頼りにお互いを認識し、結合することで受精が成り立つのです。
なかなか妊娠に至らないというカップルは、この糖鎖の働きが乱れてしまっている可能性が考えられます。アンテナが正常に働いていないことによって、精子と卵子は出会いのチャンスを逃してしまっているというわけです。
また、糖鎖異常が起こることによって精子が奇形の状態になり、卵子の糖鎖がその精子を異物として認識し拒否してしまうという場合も。
妊娠準備をしているカップルは、男女ともに糖鎖を整える必要があるということがわかります。
そもそも糖鎖とは?
糖鎖は、体の中のすべての細胞の表面についている鎖状の糖のこと。8種類の糖が鎖状に繋がっているため、「糖鎖」と呼ばれています。
糖鎖の主な働きは、細胞同士のコミュニケーション。ひとつひとつの細胞についている糖鎖がアンテナのような役割を果たし、情報交換を行うことで、健康な状態を保ってくれています。
さらに、糖鎖は体にウイルスや最近が侵入してきた時、それを攻撃するための司令塔でもあります。
通常1個の細胞についている糖鎖は、なんと7~10万本。それぞれの糖鎖は、糖がいくつ連なっているかで長さが違います。
8種類の糖鎖がどのように繋がっているかで種類が違う糖鎖。その組み合わせは数え切れないほど膨大ですが、大まかにグループにすると「糖たんぱく質」「糖脂質」「プロテオグリカン」という3つの種類に分けることができます。
現在これらの糖鎖の種類と細胞の関係はまだ明らかになっていないことも多く、たくさんの機関や研究を進めている段階です。
糖鎖が乱れる理由
糖鎖が正常に働くことで、体の健康状態が保つことができます。しかし現代人は通常1つの細胞に7〜10万本あるはずの糖鎖の数が、約4万本ほどに減少してしまっているということが明らかになっています。
その大きな原因は、私たちの生活習慣。忙しい毎日に終われ、ファーストフードやコンビニ食を口にすることが多いという方も多いのではないでしょうか。
また、環境の悪化や化学物質の過剰摂取、喫煙や薬の飲用など、様々な原因から糖鎖が乱れてしまっているということが分かっています。
さらに、ストレスなどの精神的な要因や、加齢なども糖鎖の乱れの原因に。私たちが当たり前のように行なっている生活が、糖鎖の乱れに大きく影響を与えてしまっているのです。
糖鎖を整える方法
糖鎖を整えるためには、糖鎖栄養素という以下の8種類の栄養素を摂取する必要があります。
糖鎖栄養素 | 含まれている食べ物 |
---|---|
グルコース | 炭水化物、果物、野菜 |
ガラクトース | 牛乳やチーズなどの乳製品、ツバメの巣 |
マンノース | アロエベラ、ツバメの巣、こんにゃく |
フコース | メカブやもずくなどの海藻類、キノコ類、ツバメの巣 |
キシロース | 穀物や植物の皮、メープルシロップ |
N-アセチルグルコサミン | ツバメの巣、甲殻類 |
N-アセチルガラクトサミン | ツバメの巣、牛乳 |
N-アセチルノイラミン酸 | ツバメの巣、母乳 |
この栄養素は食べ物にも含まれていますが、食事から十分な量を摂取できるのは、グルコースとガラクトースの2種類のみ。
中華料理でよく使われる高級食材のツバメの巣にはこの糖鎖栄養素のほとんどが含まれているのですが、毎日食べることは難しいですよね。
マンノース、フコース、キシロース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルノイラミン酸の6種類は、食事から摂ることは非常に難しいのです。
食事から摂るのが難しい6種類の栄養素は、実はそれ以外の2種類の栄養素をもとに肝臓でもつくることができます。しかし現代人の肝臓は糖鎖栄養素をつくる機能が衰えており、必要な量を作り出すことができません。
つまり8種類すべての栄養素を補給して糖鎖を整えるためには、外から摂取するしか方法がないということです。
8種類の糖鎖栄養素を効率よく摂るためには、健康食品やサプリメントが有効です。詳しくはこちらのページで説明していますので、参考にしてみて下さい。
まとめ
糖鎖と妊娠の関係がよくわかりました。糖鎖が精子と卵子が出会うためのサポートをしているなんて、考えてもみなかったのでびっくりです。
糖鎖は最近になってその働きが注目され始めた新しい分野ですからね。これからもっといろいろなことがわかってくると思いますよ。
妊娠準備中の方向けのサプリメントや漢方なんかもたくさんありますが、糖鎖サプリメントもぜひ取り入れて欲しいですね。