
糖鎖とは?よくわかるQ&A
糖鎖とは、人間の体の中にある細胞にくっついた糖のこと。どんな働きをするのか、どんな種類があるのか、どうやって整えれば良いのか、異常が起きるとどうなるのか、という基本的な疑問にQ&A形式でお答えしていきます。
- 1 そもそも「糖鎖」とはどんなもの?
- 2 糖鎖について知るための4つのQ&A
- 2.1 Q1、どんな働きをするの?
- 2.2 Q2、どんな種類がある?
- 2.3 Q3、糖鎖を整える方法は?
- 2.4 Q4、糖鎖異常が起きるとどうなる?
- 3 まとめ
そもそも「糖鎖」とはどんなもの?
所長、早速ですが糖鎖とは一体どんなものなのでしょうか?
糖鎖とは、一言で言うとズバリ細胞の顔です。人の体に存在している60兆個の細胞すべてに、鎖のように連なった糖、つまり糖鎖がくっついています。
細胞の顔…ですか!人間と同じように、それぞれ個性があるということなのでしょうか。
そうですね。人間の顔がそれぞれ違うように、細胞にもそれぞれ個性があり、担っている役割も違います。この糖鎖が正常に働くことで、なんと200種類以上もの病気を防ぐことができるということがわかっているんですよ。
なるほど~。健康な状態を保つためには、糖鎖を元気にする必要があるということですね。もっと詳しく教えてください!
糖鎖について知るための4つのQ&A
Q1、どんな働きをするの?
>体をウイルスや細菌から守るため、司令塔として働いています。
糖鎖の最も重要な働きは、私たちの体の中に約60兆個あるといわれている細胞同士のコミュニケーションを取ることです。
細胞についている糖鎖がアンテナの役割を果たし、細胞同士で情報交換することによって、体を健康な状態に保っています。
また、糖鎖が体の中の見張り役であり、司令塔です。ウイルスなどの悪者が侵入してきたら、それを即座に発見し、他の細胞にウイルスを攻撃するよう指示を出します。
実は、どの血液型になるかも、糖鎖が関係しているんです。
Q2、どんな種類がある?
糖鎖には、数えきれないくらい膨大な種類があります。
糖鎖は、8種類の糖鎖栄養素が鎖状に連なり、その順番によって種類が異なります。
さらに、それぞれの糖鎖は長さも違います。2個の糖が連なった短い糖鎖もあれば、数百個が連なる長~い糖鎖もあり、その組み合わせは膨大な数になります。
ただし、そんな糖鎖の組み合わせは、大きく分けると「糖たんぱく質」「糖脂質」「プロテオグリカン」という3つの種類に分類することができます。
糖たんぱく質と糖脂質は、その名の通りたんぱく質と脂質に糖鎖が付いたもの。プロテオグリカンは、糖たんぱく質の内、糖鎖が長く、一般の糖たんぱく質とは違う働きを担うものです。
Q3、糖鎖を整える方法は?
主に、食事から摂る・体内で合成するという2つの方法があります。
まず1つ目は、食べ物から糖鎖栄養素を摂取すること。8種類の糖鎖栄養素が多く含まれている食べ物を積極的に摂るようにしましょう。しかし8種類の糖鎖栄養素のうち、食事から十分な量を補給できるのは2種類だけしかありません。そのため残りの6種類の栄養素は、サプリメントなどで補給するのがおすすめです。
2つ目は、体の中で合成する方法。実は糖鎖栄養素は、たくさんのエネルギーを使って肝臓の中で合成されています。そのため健康で正常に働く肝臓でなければ、うまく栄養素を合成することはできないのです。
現代人は環境の悪化やストレスなどによって、肝臓の機能が衰えている状態。まずは肝機能を高めるよう、生活習慣を改めることから始めてみましょう。
Q4、糖鎖異常が起きるとどうなる?
体を守る機能が弱まり、さまざまな病気の原因になってしまいます。
糖鎖に異常が起こるということは、細胞間のコミュニケーションが取れなくなってしまうということです。
簡単にいうと、傷ついた細胞は傷ついたまま、ウイルスが入ってきても誰も攻撃せずやられっぱなし、という状態。そうなると、体中の細胞は、どんどんウイルスや細菌に侵されていきます。
糖鎖の異常は、インフルエンザや花粉症などのアレルギー、不妊の原因にもなるといわれています。さらに、癌や糖尿病など命に関わる病気と関係している可能性も考えられます。
まとめ
糖鎖とは何か、なんとなくわかってきたような気がします!
それはよかった。糖鎖に関する研究は現在進行形で進んでいます。まだまだ解明されていない部分も多く、難しい内容もありますが、少しずつ理解していきましょう。