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インフルエンザは、実は細胞のアンテナといわれる糖鎖と関係しているんです。そもそもインフルエンザにはどんな種類があるのか、どのようにして感染するのか、予防するにはどうしたら良いのかを解説するとともに、糖鎖との関係についても詳しく紹介していきたいと思います。

僕、毎年必ずインフルエンザに罹ってしまうんですよ……。きちんと予防しているはずなのにどうしてなんでしょうか。

それは大変ですね。スガくん、インフルエンザウイルスはどんな風に体の中に入ってきて、どんな風に増殖していくのかを考えたことはありますか?

うーん、そういえばあまり深く考えたことはありませんでした。

実は、インフルエンザウイルスと糖鎖には、深い関係があるんですよ。

こんなところでも糖鎖が…!詳しく教えてください。

そもそもインフルエンザとは

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症のこと。毎年冬頃になると大流行する呼吸器系の疾患です。

ひとくちにインフルエンザといっても、ウイルスの構造によって3つの種類に分けられます。まずは3つのインフルエンザの特徴についてそれぞれ見ていきましょう。

数あるインフルエンザウイルスの中で、人間に感染するウイルスは大きく分けて3種類あり、それぞれA型、B型、C型と呼ばれています。 一口にインフルエンザとは言っても、ウイルスの型によってずいぶん症状や経過が異なります。

引用元:【A型・B型・C型】インフルエンザの種類とそれぞれの症状について/インフルエンザNavi

インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3つに分類されますが、ヒトのあいだで流行を繰り返して問題とされているのはA型とB型のもので、特にA型が頻繁に変異を繰り返して話題となっているものです。

引用元:[ウイルス感染]「顔」見知りを狙い撃ちするウイルスたち/糖質科学へのイントロダクション

ウイルスの種類について

  • A型…38℃以上の高熱や肺炎、呼吸器系の合併症など、最も症状が激しい。ウイルスの形を変えて進化し続けるため、1度罹ってもその免疫が役に立たないことが多いため非常にやっかいな型。
  • B型…熱はあまり上がらず、下痢や腹痛を感じる人が多い。近年罹る人が増えてきているが、A型のように大流行することは考えにくい。
  • C型…4歳以下の幼児が感染しやすい型。感染しても鼻水程度と軽症で済むため、インフルエンザだと気が付かない場合が多い。ほとんどの人がすでに免疫を持っているため感染しにくい。

構造について

インフルエンザウイルスの表面には、ヘマグルチニンとノイラミニダーゼという2種類の糖鎖がくっついています。実は人間の細胞だけでなく、ウイルスにも糖鎖は存在しているんです。

インフルエンザウイルスの表面についている、ヘマグルチニンとノイラミニダーゼは、それぞれ以下のような役割分担をしています。

  • ヘマグルチニン…ターゲットとなる細胞を見つけて結合し、ウイルスをその細胞の中に取り込む
  • ノイラミニダーゼ…ヘマグルチニンと細胞との結合を切り離し、次の細胞へのウイルスを誘導する

この2つが効率良く働くことができてしまうと、ウイルスはどんどん増殖し、辛い症状が続くというわけです。

A型のインフルエンザウイルスには、16種類のヘマグルチニンと9種類のノイラミニダーゼがあり、この組み合わせによって、144種類ものウイルスが存在しています。そのため免疫がつきにくく、何度もA型に罹ってしまう人がいるというわけです。

B型ウイルスにもヘマグルチニンとノイラミニダーゼは存在していますが、それぞれ1種類しかありません。C型ウイルスにくっついているのは、ヘマグルチニンエステラーゼという一種類の糖鎖のみなので、A型と比べると、B型・C型は感染しにくいということがわかります。

A型インフルエンザウイルス(IAV)の膜タンパク質であるヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)は、ウイルスの感染性、伝播性、病原性、宿主特異性、主要な抗原性の決定要因である。

引用元:A型インフルエンザウイルスのヘマグルチニンとノイラミニダーゼは新しい運動装置として機能する/SCIENTIFIC REPORTS

インフルエンザウイルスの表面には、スパイクタンパクという糖タンパク質が突き出ています。A型インフルエンザウイルスには、ヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の二種類のスパイクタンパクがあり、ウイルスが感染を起こすための大切な役割を果たしています。

引用元:インフルエンザウイルスについて/大幸薬品

インフルエンザウイルスに感染する仕組み

私たちの体がインフルエンザウイルスに感染する仕組みとは一体どのようなものなのでしょうか。

ウイルスが体の中に入ってくる経路

  • 飛沫感染…感染者が咳やくしゃみをすることで、ウイルスを含む飛沫が飛び散る。これを鼻や口から吸い込み、ウイルスを含んだ飛沫が粘膜につくことによっておこる感染。
  • 接触感染…皮膚や粘膜の直接的な接触、ドアノブや手すりなどの物体を介しての接触によっておこる感染。
  • 空気感染…咳やくしゃみなどで起こった飛沫の水分が蒸発して乾燥し、さらに小さな飛沫核となって空気中に漂う。これを鼻や口から吸いこむことによっておこる感染。

体がウイルスに感染する仕組み

体の中に入ったウイルスは、細胞に侵入します。

その後侵入した細胞の中で、さらにウイルスを増殖。増殖したウイルスはその細胞を飛び出し、別の細胞に侵入します。さらにそこで新しいウイルスを作り出し、次の細胞へ……。ウイルスはどんどん増殖していきます。

インフルエンザウイルスがこれを繰り返すことによって、健康な細胞の数が減少し、高熱や関節の痛みなどの症状が表れはじめるというわけです。

糖鎖とインフルエンザウイルスの関係

では、糖鎖とインフルエンザウイルスにはどのような関係があるのでしょうか。

実はインフルエンザウイルスは、自由に細胞に侵入できるというわけではありません。細胞に侵入するためには、ひとつクリアしなければならない課題があります。

それはターゲットとなる細胞の表面についている糖鎖の中から、「シアル酸」を見つけ出し結合するということ。シアル酸と結合してはじめて、その細胞の中に侵入することができるのです。

抗インフルエンザ薬の働き

このような糖鎖とインフルエンザウイルスの関係に着目して開発されたのが、抗インフルエンザ薬のタミフルやリレンザです。

タミフルやリレンザには、結合したインフルエンザウイルスと、糖鎖の一部であるシアル酸を切り離すハサミのような役割があります。インフルエンザウイルスはシアル酸と切り離されてしまうと、細胞に侵入することができなくなるため、ウイルスの増殖を防ぐことができるというわけです。

糖鎖科学の研究がさらに進み、ウイルスと糖鎖の相互作用のメカニズムが明らかになれば、感染症に対して、より予防能力の高いワクチンや有効な抗ウイルス薬を作り出せる可能性もでてきます。生物の体内におけるウイルス感染という現象にも、糖鎖のもつ多彩な機能が役割を果たしているといえるでしょう。

引用元:[ウイルス感染]「顔」見知りを狙い撃ちするウイルスたち/糖質科学へのイントロダクション<

シアル酸はインフルエンザウイルスの感染、伝搬に深く関与しており、シアル酸誘導体をリード化合物とする治療薬の開発は創薬研究の観点から非常に興味が持たれている。

引用元:創薬支援研究の展望/監修:鳥澤保廣

感染予防のためにできること

インフルエンザの感染を予防するためには、予防接種を受けるということが1番大切です。予防接種をしたからといって絶対に罹らないということはありませんが、症状の重症化を防ぐためにも大切なことです。

予防接種、毎日のうがい・手洗いやマスクなどの対策に加えて、おすすめしたいのが「糖鎖栄養素」を摂取すること。糖鎖栄養素とは、糖鎖の材料となる8種類の栄養素のことで、これを摂取することで糖鎖の働きを高めることができます。

糖鎖には、体に侵入してきたインフルエンザウイルスを即座に見つけ、ウイルスと戦うよう他の細胞に指令を出すという役目があります。しかし糖鎖の働きが弱まってしまっていると、侵入してきたウイルスに気が付かず、体内の細胞はどんどん侵されてしまいます。

体の中に侵入してきたウイルスと戦うためには、糖鎖の働きを高めることがとても重要なのです。

まとめ

インフルエンザについて、こんなに詳しく勉強したのは初めてです!僕が毎年A型インフルエンザに罹ってしまうのは、こういう理由だったんですね~。

今年こそは罹らないよう、予防するようにしましょうね。糖鎖との関係についても、わかりましたか?

はい!糖鎖栄養素を摂取して糖鎖を整えることで、インフルエンザウイルスと戦うパワーがアップするということですね。

そうですね。糖鎖栄養素はサプリで手軽に摂取することができます。こちらでは糖鎖サプリについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみて下さいね。